紫狐亭

ゆかりこていと読みます

「色良き花の枝をこぞみる」1

元々自分の書いたお話に、絵をつけたくて描き始めたひめむらさきでしたが、なんか脳みその使い方が不器用な私には
小説とか漫画を 途中で中断して描き続けることができず、すっかり絵に転向しちゃいましたね(´・ω・`)

今日から少しづつ、未完成の小説(書ききってないので添削をしておらないため、辻褄の合わないところもあります)を少しづつ公開してみようかなと思います。
大迷惑なことに、完結するめどはたっていません!
実はプロットの時点であまりに不幸な終わり方をしてしまったので、ラストをもう少し幸せにしてあげたいと思うあまり、完結直前で筆がとまってしまったのです・・・。
連載用に、少しゆるめに遊びの多い短編風にちょっとづつだけ編集してみようかなと思います。
長く幸せな時間を。

「色良き花の枝をこぞみる」 
題名でした。愛姫の有名な逸話からの一文。印象的ですね。
では興味のある方だけ、ひらいてどうぞー


 ◆麗牙◆


 一人の青年が、海沿いの道を歩いていた。

 旅装束ではあるものの、鮮やかな浅黄色の上着は膝まであり、下に股引のようなぴったりとした袴をはいていた。

 季節柄、梅の香も混じる冷たい潮風が、緩くまとめただけの長い黒髪を舞い上げる。

 彼は旅人であり、目的があってこの小さな島国へ、遠路はるばるやってきた。

 島の人口は、全体でもおおよそ数千人といったところだろうか。

 周囲を囲む小さな島々まで、ここらあたりの領土とされているが、ほとんどが無人であったり、一時的な立ちより場としての漁村だ。

 それでいて、この島は独立した小さな国だと言うから驚きである。大国の地方都市よりよほど小さい規模だろう。

 なんでまたそんな島国にはるばる海を越え、船を乗り継ぎ一月もかけてやってきたかといえば、青年にはやむを得ない事情があった。

 入り江になっている港を抜け漁村を後にすると、しばらく急勾配の山道が続き、やがてのどかな田園地帯が広がる。

 何の根拠もなく、着けば目的地はすぐわかるだろうと鷹をくくっていたのだが、船でもらった地図の不案内なことといったらひどいもので、子供の落書きのような有様だった。

「もし、お忙しいところすみません」

 彼は畑仕事に精をだす、鍬を構えた三十代半ばの男性に声をかけた。

「ほいほい?」

 春もまだ早きことにつき、桜のつぼみすら膨らみ始めたばかりだというのに、男は額の汗を拭きながら振り向いた。

 良く日に焼けて丸い顔をした村人は、いかにも働き者で人の良そうな、小柄でがっちりとした男だった。

「この国には仙人が住むと聞いたのですが、どちらに住まれているかわかるでしょうか?」

 島一帯をざっくばらんに描かれただけの地図を広げて村人に見せると、相手は訝しげな眼差しで青年を見た。

「なんぞどっか悪いのかい?若いのに・・・・」

 言ってからしげしげと青年を見た男は、僅かに頬を染めた。

 ――――――やや彫りの深い顔立ちは異国めいた面差しで、一瞬言葉が通じないのではないかと不安になり、すでに話している事実に気付いてほっとするという、複雑な心境が一瞬で男の胸の内を巡ったのだった。

 一見してよそ者とすぐわかる服装の青年は、おそらく年の頃は二十歳には届かないほど。そこそこには上背もあり、ほっそりとした体躯の優男で、よく見ればまだ少年の名残を残した頬や顎のあたり、青年というのも早いくらいにも見えた。

ひとりだちをしてもおかしい年頃ではないにしろ、単身で異国を訪ねるには少々頼りない印象だ。

「いえ、ちょっと、仙人様に用事がありまして・・・・」

 訛りのない丁寧な言葉使いと静かな声は、ひどく上品に聞こえる。

「ここらあたりじゃー、病気になったら仙人様を訪ねるっちゅーくらいなもんだからなぁ。お兄さん、わざわざ海を渡ってきなすったんだろう?」

 藁をもすがるような大病でも患っているのかと暗に訊かれたことに、青年は慌てて首を振った。

 仙人といってもこの島の人間から見れば、医者や薬師に近いものであることが推測される。

「その、弟子入りさせていただけないかと思いまして・・・」

「弟子!?・・・・・・・そういえばその発想はなかった・・・・・・!!なかなか新しいことを考える奴だな・・・」

 男は目を丸くすると半ば呆れたように青年を見上げる。彼は合わせるように首を傾げて苦笑した。

「弟子とか聞いた事はないけど、というかあのじーさんは、俺が子供の頃からずーっとじーさんでな。俺のじーさんがじーさんのころから、じーさんなんだ。つまりだな、仙人だからして、誰も弟子入りしようなんて発想はなかったんだな。異国の者は考えることが違うのぅ・・・!」

 妙な方向で感心すると、男は青年の背中をバンバンと軽く叩いた。

「よし、ちょっと時間かかるけど、俺が送ってってやる!じーさんは、この島じゃなくて、一番北の島に一人で住んでいるから、舟がないと行けないんだよ。そうだ、俺はアカル。お前さんは?」

「麗牙といいます」

 麗しの牙と書く。

 耳に聞いただけでは字まで知り得ないけれど、名の持つ流れるような響きが、青年に似合いの名前だと男は思った。










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今回は最初なのでちょっと短めに。
麗牙くんは、おとなしめの少し気弱な青・・・少年?です。そのまま普通にれいがと読みます。
まぁ内容的にはおそらく少女小説系なのでイケメンには違いないでしょうけども(笑
お話しの舞台は和風とも中華風とも言える古代ファンタジー
感覚で言うと麗牙君の出身が、飛鳥時代くらいの(半中華風)のところから、いつとも知れない日本の小さな島に来た感じですかねぇ

余談ですが、私は女性視点の話というのがどうにも書けないのですなぁ。
決して男らしいところがあるタイプではないと思うのですが、一度脳の検査に行ってみたい。
性同一性障害なんてことは一切ないと思うし、ごくノーマル性癖なのですが、男性見てときめいたことないんですよね!(オワタ
だから女の子視点の話が非常に苦手です・・・_(:3 」∠)_
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[ 2016/01/07 23:09 ] 「色良き花の枝をこぞみる」  | TB(-) | CM(2)
気が利くアカルさん(*^_^*)
この先にある物語の予想がつきませんが読みやすい文章でサクッと読めました。
続きも楽しみにしております(^-^)/
[ 2016/01/07 23:36 ] [ 編集 ]
Re: タイトルなし
> 気が利くアカルさん(*^_^*)
> この先にある物語の予想がつきませんが読みやすい文章でサクッと読めました。
> 続きも楽しみにしております(^-^)/

わわわ、文章ばかりは読んでくれ!とも言えないジャンルなので、嬉しいです(*´▽`*)あうあわないってすごく出ますし。
完結してないけどサラーっと流していこうと思います・・・!
ありがとうございます♫
[ 2016/01/08 19:11 ] [ 編集 ]
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プロフィール

ひめむらさき

Author:ひめむらさき
ブログでは紫子(ゆかりこ)だったんだけど、ちっとも読めないよね…読めないよね(´;ω;`)
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