紫狐亭

ゆかりこていと読みます

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「色良き花の枝をこぞみる」2

小説とかって、webだと改行入れないと見づらいよと言われて、入れてみたけど
入れた方が見づらかった(; ・᷄ὢ・᷅ )今回からは入れません。
「色良き花の枝をこぞみる」でカテゴリわけしたので、文章だけ追って見たい方はそちらからどうぞ!
そ、そういえば!
拍手コメントいただいてました@@気付くの遅れてすみません

拍手様>
うわーありがとうございます><がんばりたい。
出来るだけ東方とオリジナルは少しだけ描く物をずらしたいなぁとは思ってます(*´▽`*)
版権はやはりキャラあってのものだと思うので、キャラ絵中心で
オリジナルはわけのわからない小物とかお部屋とか変な物も入れ込んでいきたいな!と思います(笑

ではちょっとだけ続きを・・・気になる方だけどうぞ。
◆仙人の住む島◆ 1


 アカルの家に連れて行かれ、家にいた老婆に事情を話し、二人は海へと続く一本道を歩いた。
 背中にしょった革袋も、貴重品以外は置かせてもらえることになったので、随分と身体が軽い。
 旅先の人間を容易に信用するのは危険であるが、麗牙は人の良さそうな彼等の好意に甘えることにした。
 しばらく歩くと、案内されたのは港ではなく、穏やかな入り江の砂浜だった。
 黒松の茂る海辺は真っ白の砂浜が広がっており、春の空を映した海は南国にも負けない鮮やかな色をしている。
 踏みしめた砂の細かさは粉のようで、あっという間に麗牙の靴の中は砂だらけになってしまった。
「港じゃないんですね・・・?」
 靴を脱ぎひっくり返すと、砂がざーっと落ちてくる。
 アカルのように裸足になると、ひとまず手に靴を持ったまま、後ろを着いていく。
「ん。浜にあるのは漁に出る船だけさー。あそこの小屋に誰でも使って良いように小舟が置いてあるんだ。村の持ち物だからな。ちょいっと力仕事だけど、大丈夫かい?」
「はい。大丈夫です」
 アカルは心配そうに麗牙の柳腰を見つめたが、これでも一応男なので大丈夫だと彼は請け合った。
「その長い股引は膝まであげとけよー」
「あ、はい」
 アカルが着ている島の服は、幅の狭い膝丈の袴と、腰までの麻で出来た上着は、少々寒そうではあっても、膝くらいまでなら水に浸かっても濡れる心配はなさそうだ。
 舟はしょっちゅう使われているようで、いくつかはまだしっとりと濡れていた。中からアカルが指さした二~三人用の小舟を、二人で海まで運び出す。
 見た目の鮮やかさから、ついつい南国の水を思い浮かべていた麗牙は、春先の刺すような海水の冷たさに面食らい、思わず足を引っ込めそうになった。
その様子にアカルが笑う。
「冷たいだろう。春は一番水が冷たいんだ。海はゆーっくり冷えるから、冬より春のほうが冷たいんだよ」
「へぇ・・・知りませんでした。アカルさんお詳しいのですね」
 麗牙の素直な賛辞に、アカルは照れくさそうに鼻の辺りを掻いた。
「海辺に住んでるもんなら誰でも知ってる事さ。さ、行くぞ!」
アカルの合図と共に、一葉の船は滑り出すように、水面に浮かんだ。
 遠浅の海が長く続く海の色は、僅かに緑がかって驚くほどの透明度の中、銀色の魚たちが青っぽく煌めく。
 アカルは水しぶきすらほとんど上がらないほど、慣れた手つきで櫂を操る。
 麗牙は舟を扱ったことがないので、そこはお願いするしかなく、水底を見つめたり、景色を楽しむことにした。
「冬は霧がかかったり雪がひどくて、海が荒れるから漁船以外はあんまり沖に出ることはないんだけども。今の時期はほれ、あの島。まだ黒っぽく見えるかも知れないけど、あの島は花の木が何千本も植わっててなー。アレがもうちょっとしたら全部桜色に染まるから、花島って言われてて、島の者達も花見に行ったりするんだよ」
 アカルが指さした方を見れば、遠目にも裾の辺りが薄紅に染まりつつある、黒っぽい島が見えた。
「へぇそうなんですね。島全体が・・・それは素敵でしょうね」
 上手いこと弟子入り出来れば、もしかすればいつか直に見ることが出来るかも知れないし、そもそもが駄目元なので断られた場合は、少し滞在を延ばして島を見に行ってみてもいいなと、麗牙は頭のはしで思う。
 藁をもすがる気持ちはないでもない。
 駄目元でも一月もかけて、――――――祖国を離れる決意をして親元を出てきたのだから。
「おまえさん、花島も知らないって事は、この国は初めてなんだろう?どっからきなすったんだい?」
「羽矢の国から来ました」
「ああ、お隣さんか。なるほど、隣の国なら噂が届いてもおかしくはないか。そうはいっても随分かかっただろう?」
「一月ほど・・・」
 この島国・・・・・・名前も紫摩の国は航海路からも大きく外れ、ほとんど秘境状態なのだ。
 一部の行商目当ての旅人程度なら受け入れているが、国自体では鎖国しているのもあって、他国の地図には載っていないような国である。
 羽矢の国も島国ではあるものの、紫摩とは比べようもない程には広い国土と人口をほこり、遠く西の大陸との貿易も盛んな国だった。
「ひぇぇ、一月!親御さん心配してるだろうに」
麗牙は親の話については曖昧に笑って誤魔化した。
父は既に亡く、祖国には母のみが残っているが、彼女は夫の死を機に実家に戻っていた。
両親が駆け落ち同然だったのもあって父方とは縁遠く、麗牙には帰る家はあるようなないようなという状態だった。
「気張ってんなぁ・・・・・・・仙人様・・・・・えーっと、楼(ろう)蘭(らん)様っていうんだけどな。まぁ、島のみんなには楼爺って呼ばれてる。楼爺が住んでる島はあすこ」
 アカルが次に指さした島は、海に浮かぶ森のような姿をしていた。
 地図で見たよりも近くに位置しており、麗牙は緊張に頬を引き締める。
「あの島の周りは岩礁がひどくってな。北っかわにまわると浜があるから、一時間もすりゃーつくよ。こういう小舟じゃないとうまいこと近寄れないんだ。楼爺はほっといても月一くらいで村に薬を売りにくるからなぁ・・・わざわざ行くこともなくってね」
 それで荷物を置いて行けと言われたのだろう。
 この舟は男二人が乗ったら手狭すぎて、麗牙の荷物まで乗せたら沈んでしまいそうだ。
「はい・・・!ありがとうございます、アカルさん」
「いいよいいよ。その代わり弟子入り出来たら、いつか薬を安く売ってくれよ」
「は、はい・・・」
 単純に異人である麗牙が年若く、見栄えもいいのもあって、アカルは物珍しさから世話を焼きたいだけなのだ。
 湖水のように凪いだ海を舟はすいすいと進み、彼の言うとおり一時間ほどで浜に着いた。
 アカルは浜に先に上がると、手頃な岩に船をくくりつけ、懐から取り出した草鞋を履いた。
 麗牙も冷たい水に膝まで浸かりながら浜に上がると、行きに脱いでいた靴を履く。
 この辺りは岩礁が多いと言っていただけあって、浜といっても砂というより砂利がほとんどだ。粉のような砂よりはよほど歩きやすいものの、靴がないと歩きづらい。
「こっからは一本道。すぐ着く」
「はい」
 麗牙はいざとなると緊張に足がこわばりそうになって、真剣な面持ちで頷いた。
「そんな緊張しなくても、楼爺はただのじーさんだぞー?弟子入りはきいたことがないからわかんないけどもよ」
 怖がる必要はないとアカルは言うと、麗牙を励ますように肩を叩いた。





 長い石段のようになった岩を飛び越え、鬱蒼とした森のようになった小山を登る。
 ぱっと見都会育ちに見える麗牙が、息一つ切らさずに岩を身軽に飛び越えるので、アカルは感心した。
「これが若さなのだろうか・・・・・・」
 普段平地暮らしなので、飛び跳ねる作業にアカルが息を切らしていると、麗牙がその腕を軽々と引っ張った。
「何言ってるんですか、アカルさん若いじゃないですか」
「うう~ん」
 十代の若者に若いと言われると、どう反応して良いのかわからないのか、アカルは困ったように苦笑した。
 道なき道ならぬ石段なき石段を登り切ると、小さな庵が見えた。
 屋根も壁も手入れを怠っているのか、苔むして今にも崩れ落ちそうで、雨風を凌ぐのがやっとに見える。
「楼爺―おるかー?アカルやけどー」
「なんじゃあ、今取り込み中なんじゃが・・・」
 中から不機嫌そうな老人の声がして、庵の木戸が開いた。
「楼爺にお客さん。はるばる海を越えて羽矢の国から来たそうだよ」
 アカルに指し示されて、麗牙は思わず楼蘭に頭を下げる。
 老人はひどく小柄で、真っ白な髪と髭とで埋もれて顔もよくわからない。
 髪の隙間から薄茶色の、やや白濁した目が麗牙を見止めると、眉間に深い皺を刻んだ。
「・・・・・・・・何の用じゃ・・・?そなたのような者に訪ねられる覚えはないのじゃがのぅ」
 顎の下にもたっぷりと蓄えた髭を撫でながら、老人は落ちくぼんだ目で麗牙を睨むように見つめた。
 おそらく・・・・・・彼には見えているのだろう。
「なんでも楼爺に弟子入りしたいんだそうだよ。どうだい、楼爺、見込みはありそう?」
 麗牙と楼蘭の空気を読まず、アカルが朗らかに告げた言葉に、老人は眉をぴくりとさせた。
「弟子・・・・・・とな・・・?・・・・・・・・・・アカルちょっと、お前席を外してもらえないかのぅ?」
「あ、ああ?うん。良いけど・・・・・・あ、麗牙。俺、舟の近くで釣りしてるよ。この辺りは岩が多い分、釣りには持ってこいなんだ」
 楼蘭の有無を言わせぬ雰囲気に、退場せざるをえなくなったアカルは、そそくさと来た道を引き返していった。
 二人になるとすぐ、楼蘭は口を開いた。
「半妖がわしに何の用かと思えば、弟子とはいったいどういう酔狂じゃ?」
 楼蘭にはやはり見えているのだろう。
 麗牙は目を伏せると、その場に膝をつき、地面にひれ伏した。
「麗牙と申します・・・どうか!お願いです、私を仙人にしてください」
「ほおっておいても、妖は不老長寿みたいなものであろう?半妖であっても人の何倍も生きられる。一体何を好きこのんで仙人になどなりたいと申すのじゃ」
 麗牙がさらに不老不死を望んでこの地を訪ねたと思っているのか、楼蘭の声音には軽蔑するような響きが滲んでいた。
 此処で引き下がる訳にはいかないし、相手は頭ごなしな態度とはいえ、戸口で立ったまま麗牙の返事を待っているようなので、聞く耳がない訳ではなさそうだ。
 意を決し、麗牙は口を開いた。
「私は・・・・・妖を母に、人を父に、何も知らず人として十七まで育ちました・・・・」



**********************************************

ひとまずここまで。
昨日が少し短すぎたかなぁと思ったので少しだけ多めに。ブログなのであんまりいっきにながすと文字制限とかもあるし
読みづらいかなぁと。
仙人の島はちょっとわけることにしました。
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[ 2016/01/08 19:27 ] 「色良き花の枝をこぞみる」  | TB(-) | CM(0)
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Author:ひめむらさき
ブログでは紫子(ゆかりこ)だったんだけど、ちっとも読めないよね…読めないよね(´;ω;`)
お絵かきするます。
motimotiponponpon@yahoo.co.jp 御用の方はこちらまで。
http://tinami.jp/c/58005 TINAMIも登録してみました。(2015/12)

pixiv(´¬`)↓

 


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