紫狐亭

ゆかりこていと読みます

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「色良き花のこぞみる」 5

週に1回程度でいいかなぁと
待ったり更新。
5!

それはともかく、最近は日本語を広辞苑通りくらいの本来の使い方と言われている意味で使うと、相手に通じない等と言うことが結構あるので、文章を書くときに避けるのですが、どうしたものかなぁと思う事があります。
わたしも別にそう言った言葉を全部把握しているわけではありませんが、誤用単語に関してはある程度の知識があります。
(ぱっと浮かぶのは「確信犯」や「敷居が高い」だけど、多分確信犯とかわかっててやるっていう意味以外で使ってもまず通じないんじゃないかな・・・一応まだ現在の日本語の定義では「正しいと信じて犯す罪」的な意味のはずなんですけど)

ただ、それはもう完全に今ではその用途では使われない言葉もあれば、たまに知ってる人に指摘されるような言葉もあるので、困っちゃいますよね(´・ω・`)
正しくっても通じない言葉ではどうしていいのやらってなる事もあります。
誤用単語ではなくても、「ら」抜き言葉といって、現在はあまり「れるられる」の「ら」を使わない傾向がありますよね。
「食べられる」と聞いて、最初に浮かぶのは「何かに食べられる!」という意味ではないでしょうか?
「食べる事が出来る」という意味でも使われますが、普段口語で使う事は稀だと思います。
ただ、そういうのも、気にする人は逐一気にするし、通じない人には通じなかったりするものだから、文章書くのも大変なんだなーとか思ったりします。
まーあんまりそういうとこにうるさすぎる人は、原文の源氏物語読んでたらいいんじゃないかな。
なんたって日本最古の小説だ。
でも古文の知識がないと多分さっぱりわかりませんけどね(笑)わたしはさっぱりわかりません!
言語というのはある程度時代で移り変わる物なので、江戸時代くらいになると言葉がまともに通じないのではないかという研究もあったかなと思います。
なので正しい日本語、と言われる物は、実はないのかも知れませんね。


というわけで、読みたいひとだけどうぞ。


 ◆ハナ◆


 生前のアカルの祖父のものだったらしい布団が一組残っていたのを、使わせてもらうことにして、多少かび臭くても今夜は我慢しなくてはならないだろう。
 春の夜は冷える。
 夕刻になると、アカルの上の子だという十四歳になる娘と、十歳のその妹がやってきて、握り飯と焼いた魚などを置いていってくれた。
 逆算すると、彼は十七、八で父親になったのだろう。
 年頃にさしかかったほうの娘は、麗牙を見ると恥ずかしそうに頬を染めて、言葉少なに物の在処などを告げると、二人はすぐに家に帰ってしまった。
 振り向けば、相変わらずハナはぼんやりと麗牙を見つめながら、部屋の奥で座っている。
 最初に座るように行った場所から動いていないのだ。
 ふと、下着のように薄い単衣しか着ていない少女が、ひどく寒そうに見えた。
「ご飯来たよー。・・・ねぇ、ハナちゃん薄着だけどそれ・・・寒くないのかな」
 ハナは少し考えるような仕草をすると、無表情に頷く。
「寒い」
「・・・!」
 麗牙は慌ててハナに近寄ると、冷え切った小さな身体に触れてみる。
「なんで言わないんだよ・・・!?」
 桜もまだほころぶ前のこの季節、よく考えなくてもこれだけ薄着では、昼間から相当寒かったはずである。
 見れば唇も紫になってしまっていた。
 自分の事で頭がいっぱいで、まさかハナが寒いとも暑いともそんなことすら口にしないと思わなかったのもあり、麗牙は気がつかなかったのだ。
 アカルの家から持ってきた自分の荷物をあさり、旅装束の中から一番厚手の外套で、ハナをくるんでやると膝に乗せるように抱く。
「ごめんね、ちっとも気付かなくて・・・」
 ハナは何も言わず、麗牙の腕の中で静かに目を閉じた。
 本当に何を考えているのか、少しも掴めない。
 気がつけば今のところハナの喋った言葉と言えば「ない」と「寒い」の二言である。
 しばらく暖めていると、少女の腹の辺りからきゅるる~っという音が聞こえた。
「もしかして、ハナちゃん・・・・・・・・おなかすいた?」
 覗き込むと、ハナは自分の腹の辺りを押さえ首を傾げた。
 もしかしなくてもハナには腹が減るという感覚すら、わからないのかも知れない。
「うん。よし、食べようか。折角用意していただいたしね」
 これだけ感情の起伏がなく口数が少ないと、ハナに気に入られるというのは相当難しいような気がしてくる。
 何はともあれ、麗牙はハナの前に握り飯や、焼いた魚を並べてやった。
 里芋と山菜を煮たものも、木の椀によそい前においてやる。
 麗牙が箸を使って食べ始めたのを見て、ハナも自分の前に並んだ箸をとってみたものの、上手く使えないようで、結局手づかみで芋を口にいれる。
「食べられそう?」
 返事の代わりに、もう何度目かわからないほど頷いてくれているハナに、麗牙は苦笑を漏らす。
 腹は相当減っていたらしく、食べ始めるとハナは夢中になったように芋を口に運んでいた。
「ハナちゃん、お芋ばっかり食べちゃ駄目だよ。こっちのおにぎりも食べるように」
 ハナの前に芋の煮物の器が置いてあることに気付いた麗牙が、器を入れ替えると、思った通りハナは目の前の皿の物だけ食べていたようである。
 目の前のものしか食べないというのは、小さい子供にはありがちな話だ。
 口の周りに米粒をたくさんつけたまま、今度は眠くなってしまったようで、ハナは舟を漕ぎながら握り飯を食む。
 腹がふくれて眠くなったのだろう。
 麗牙はハナの手や口の周りを拭いてやると、今日の処は干していないせいで、ちょっとかび臭い布団に寝かせてやった。
 すぐに健やかな寝息をたてて、ハナは眠ってしまう。
 無口なのか、人見知りなのかもわからないし、そもそも表情がなすぎて一体何を考えているのかわからない。
 桃というのはどんな物なのか詳しく訊こうにも、少女が普通に喋ってくれる気配すらなかった。
 先が思いやられ、麗牙はため息をつく。
 まずは明日からの生活のことを考えなければならないだろう。



 布団は一組しかないので、翌朝麗牙はハナの体温で目が覚めた。
 あんなに冷え切っていたのに、眠っている子供の体温というのは、大人よりよほど暖かな物だ。
 麗牙が起きたときハナはまだ眠っており、ふくふくとした丸い頬と半開きになった幼い口元が、無邪気で可愛らしかった。
 寝返りをうつだけでぱらぱらと零れるように流れる黒髪には、癖という物がまるでなく、伸び放題になっているので、前髪も後ろ髪も場所によって変な長さだ。
 ようするにザンバラ頭なので、後で髪もそろえてやったほうがいいだろう。
 下を向いた時など顔も見えなくなるので、これでは物乞いの子供か、鬼の子供か妖怪か・・・・と思いかけて、麗牙は自嘲する。妖怪は自分ではないか。
 妖どころか、ハナから漂う空気は触れているだけでも、浄化されてしまいそうなほど、神聖で清らかなものだ。
 見つめている間に、少女の長い睫毛が震えて、まだ眠たそうに瞼が持ち上がる。
 僅かに差し込んだ朝日を受けた、ハナの瞳の虹彩は桜色に輝き、よく見れば瞳孔の色は翡翠の色をしていた。
 水滴の如く潤んだそれは、何度目の当たりにしても言葉を失うほど美しい宝石のようで、麗牙が黙って見守っていると、意識がはっきりしてきたのか、ハナと目が合った。
「おはよう」
 昨日の今日であるし、麗牙は返事を期待して声をかけたわけではない。
「・・・おはよう」
 していたわけではないけれど、いざハナから挨拶が返ってくると、麗牙はびっくりしてしまった。
 思えば、質問する等の二択の返事を迫るだけの会話で、ハナを喋らすような会話や挨拶といった基本的な話しかけというものを、していなかった気がする。
 そこまで考えたところで、大変なことにも気がついた。
 もしかしなくても・・・・・・・・・・麗牙はハナに自己紹介の類すら一切していない。
 アカルとの会話が聞こえており、彼女が麗牙の名前を覚えている可能性があっても、出会ったばかりの彼が麗牙の名を呼ぶことは、やはり少ない。
 はたしてハナが来てからの会話で、彼が自分の名を呼んだだろうか・・・・?
 かといって寝起きでぼんやりしている間に、布団の中でするものでもないだろうから、昨夜の残り物で簡単に朝食を済まそうと思う。
 その時に改めて挨拶をすることにして、麗牙は布団から起き上がると上着を着込んだ。
「よーっし、起きるよー」
 今日は買い物の他にも、薪をひろいにいかねばならないだろう。風呂にも入りたいし、茶の一つも沸かしたい。
 春の朝は存外に冷え込む。
 麗牙は縁側のあるほうへ周り、昨日開けないままだった雨戸を、閂を抜いて勢いよく開けた。
 定期的に風入れをしているというだけあって、立て付けも悪くなく、軽く押すだけですんなりと開いた。
「おお・・・!ハナちゃん、ちょっとおいで!」
 思わずハナを呼ぶ。
 相変わらず薄着のままなので寒かったのか、枕元に置いたままになっていた麗牙の外套を、今朝は自主的にはおってみたようで、ずるずると引きずりながらハナが歩いてきた。
「ほら、見てごらん。大きな桜の木だ。蕾もあんなに沢山ついてるし、もう二~三日もしたら咲き始めるよ」
「さくら・・・」
「何色の桜かわからないけど、少し色が濃いようだから・・・・きっとハナちゃんの目の色のような色の花が咲くよ」
「・・・・・・目・・・・」
 思った通りだ。
 反応は薄いとはいえ、否応を訊くだけの会話でない物には、ハナなりの言葉らしきものが返ってきている。
 まだ言葉尻を拾うだけのような会話でも、麗牙は嬉しくなった。
 丁度良いので、ここで自己紹介も済ませようと思う。
「ハナちゃん、そういえば私は自己紹介を忘れていたけれど・・・・えーっと、私の名前は麗牙。もしかしなくても・・・・・・・・・言ってなかったよね・・・・?」
 ハナは数度、まばたきをすると、こくりと頷いた。
「れい・・・が」
 頷く以外にも反芻するように、ぽつぽつと名前を呼んだ。
「一年間、よろしくね」
 麗牙が嬉しさから笑顔を向けると、ハナは相変わらず無言で首を縦に振っただけだった。





*************************

まさかの幼女がメインヒロイン✧ですよ。
ヒロインと言っても割と心温まる系(!?)の、癒やし系ストーリーのはずなので大丈夫です。嘘です本当です。
嘘だけど本当です。


多分。
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[ 2016/01/22 19:02 ] 「色良き花の枝をこぞみる」  | TB(-) | CM(0)
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Author:ひめむらさき
ブログでは紫子(ゆかりこ)だったんだけど、ちっとも読めないよね…読めないよね(´;ω;`)
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http://tinami.jp/c/58005 TINAMIも登録してみました。(2015/12)

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